【昔話】イキリトがガチ勢に飛び込んだ話
ちょうど8~9年ぐらい前、進路選択を突き詰められて
「強い大学で柔道がしたい」と迷いなしな自分をよく覚えている。スカウトされた高校の入学を親に反対されて以来トップに強く憧れていた。
実力なんて地元の名門以外なら勝てるという微妙もいいところだったのでスカウトなんて事はないし「名門に行くんだ!」と言われて鼻で笑われるくらいに弱い。
そんな理想とかけ離れた実力にノロウイルスと偽ったり気に食わない奴をボコるなど停学4~5回して素行はお世辞にも良いとは言えず偏差値は当時40もいってない高校だ、普通の受験どころかAO入試すら詰んでたので就活や受験を控える皆さんは素行だけは良くしておきましょうw
AO勢(頭おかしいの略)の自分は数打ちゃ当たる戦法でAO入試の志願書を出していた数日後提出したある大学の担当者に校内放送で呼び出される。
面談室で知らないおじさんに
「熱意ある人を見逃したくないんだ、是非うちに来てくれないか?」と言われてからこの話は始まる…
入試
地元では一強、プロも多数排出している大学の監督からのお声かけだった。
変わった人を好む監督で目に止まるのも必然かなと今なら思う。OB含めてすごい柔道家しかいない。
試験は実技試験と面接の二本立て、鉛筆を持たないことを知りすぐ了承。めちゃくちゃに練習した。
試験当日、会場には自分と同じ階級なのに2まわりぐらいデカい人しかいない、しかも周りは聞いたことのある名門のゼッケンをつけた選手ばかりで少しだけプレイしたことのあるアイワナぐらい合格は無理ゲーだと悟る。
監督に「本日はよろしくお願いします。」と挨拶したら「今日は楽しんでいってよー」とか言われて落選フラグがめちゃくちゃにビンビン。
そうこうしているうちに選手間同士でアップを始める。全国大会で15人抜きしたヤバいやつに鼻で笑われたのを今でも鮮明に覚えている、こんなに格が違うのかってその時から絶望で半べそw 涙が引く頃にはもう試合。相手は3つ上の先輩だ。
結果内容はかなり良いもので終わった、ほんとに運だけw
面接も練習通りにこなし合格発表の通知が来た、1番が好きな自分は校内1番に進路が決まった事含め嬉しくて自慢しまくり。イキってすまんw
練習はぼちぼちやって3月の初顔合わせの日を迎える。
この時は
このカードが制限になる事も自分だけがこんなムードになるってことは知る由もない。
絶望の中国地方合宿
最初の初顔合わせは船の中だった、合宿先への移動中に合流する形で初めましてを繰り返す。バスなど乗り継いで現地に3日かけてようやく到着。
中には中学の頃一緒に練習していた人とかいて、ようやくこの人たちと同じフィールドで稽古できるんだって嬉しくも思えた。3泊4日の合宿がスタート。
初日はやはり気合いが入る。いっぱい稽古しよう!こっから始まるんだって張り切っていた。
(俺の伝説はここから始まる!!!)
同級生みんなして「いやーいい稽古だったわー」
「アイツ投げたぜ!」「やるじゃん!」
「大山はどうだったのよ?!」「…」
誰にも相手されないまま終わった。なんて言えるわけ…
経験を積んでからわかった、あの時相手からしたら自分は道端の雑草と同じで目向きもされない。ということを…
イジメられた時も辛かったけど相手にされないのはそれ以上に辛かった。
2日目はようやく相手してくれる事となった。
尿検査で
入れるバカな大山だってわかる絶望をそこで味わう。
こっちが技をかけてわざと投げられるようなまるで大人と小学生が稽古しているような感覚、歳なんてそう離れているわけではないのに実力差が開きすぎててもう稽古する事が失礼なんじゃないかって思えた。終えた頃には同級生間で格付けが決まり自己肯定感がマイナスに振り切っていた自分が最下位になるのも必然、同級生のパシりもしたのでお風呂に入れるのは閉場ギリギリだったのでドア越しにうろちょろしてたおっさんはホモではなく清掃員だと思う。大浴場に1人なんて普段なら実質貸切とか言ってたので
って感じ
初日から薄々感じてたけどいざ直面すると虚無の他ない…
3日目は練習試合、
格の違いに園田海未ちゃんぐらい
開いた口が塞がらない。黄色い閃光かってぐらい速い背負い投げをした先輩は運だけ春日した時手を抜いていたんだなって手で顔を隠し項垂れた「手を抜かないで良かったのに…」って
バチコリ勝ちまくっていた皆を見てこんな人達と4年間柔道するのかと思ったらもう虚無どころか鬱だった。
夜の自由時間は誰もいない神社で1人
とか言ってた。(古い)
自分は場違いすぎるから帰ったら辞めようとその時思った。
4日目は朝練を終え船で帰る内容。朝練はもちろん上の空、移動し船に乗り監督に辞めると伝え辞退し遊戯王やるんだとか思っていたら監督と遭遇、最初に口を開いたのは監督だ。
監督「この合宿どうだった?」
俺「辛い通り越して辞めたいって思いました。辞めry」
監督「みんなそんなもんよ」
俺「え??そうなんですか?」
監督 「センスも実力もないけど勝てるのが柔道の醍醐味だ…飛び込んでくる度胸がお前の武器だ、今は挫折し苦労しろ、そっから這い上がってくればあいつらと戦えるのはすぐそこだ」
俺「はい!ありがとうございます!」
俺はチョロイン、いい言葉投げかけられるとその気になっちゃうごちうさのリゼ以上にチョロい奴だw
到着2日後に入学式を迎えて大学デビューを果す。
「俺は絶対強くなってプロになるんだ!」
しかしここからが悪夢の始まりだった。
続く。